大安楽寺【長野県松本市】
◆大安楽寺のご紹介
お寺の開基は行基、中興開山を法印憲孝と『信府統記』に記されているそうです。陰陽道では、北東が鬼門とされますが、松本城からみて鬼門の方角に合うことから、隣接する岡宮神社とともに、城の鬼門除けとして寺社の存在意義があったようです。
もともとは、安楽寺と呼ばれ、江戸時代には、歴代松本城主の祈願所としての役割や仏法の学問所としての役割が有ったようです。しかし、明治時代の廃仏毀釈の執行により、明治5年に廃寺となりました。明治時代中頃には、寺院の廃絶を惜しむ壇信徒の力のより復興され、大正11年には、大安楽寺と改称し、平成21年には、立派な観音堂を竣工しています。
◆大わらじの寺
お寺の山門には、立派な仁王様が安置されていますが、昔、信者さんが仁王様が裸足で寒そうに立っているのがかわいそうだと思い、わらじを奉納したのが始まりで、それ以降、仁王様の丈夫な足腰や健康な体にあやかろうと近隣の人々がわらじを奉納することが慣習化するようになりました。
昭和になり、第29世住職の三澤宥智住職が入山された頃、ご近所の方々が模造紙くらいの大きさのわらじを編んで奉納するようになりましたが、だんだんとお年をお召しになり、編めなくなったので、三澤住職自らわらじを編み、新春厄除観音大祈祷会に片足で約14畳もある大きなわらじが奉納されるようになりました。毎年1月の第2日曜日と月曜日にとり行われる新春厄除観音大祈祷会には、この大わらじに乗って、1年間の健脚祈願、無病息災を祈願する方が、県内外から訪れるようになりました。
◆住所
長野県松本市女鳥羽2丁目5−8
◆参考資料
安原山 大安楽寺公式WEB
信州観光ナビ